私の住んでいる街には、変わったイタリアンのお店があります。見た目は、とてもかわいらしいヨーロッパの小さなお家といったような感じで、小さいお店なのにお昼時には車がたくさんあるので、いつも気になっていました。ある日、無性にイタリアンが食べたくなった私たち夫婦は、まだ行ったことのないそのお店に行ってみることにしました。ちょうど運よく、車一台分が空いていたので、中に入ってみると、アルバイトらしき男の子が、笑顔で接客してくれました。お好きな席にということだったので、厨房が見える席に座りました。このお店は、厨房がカウンターキッチンのようになっていて、厨房の様子がよく見えます。中では、眼鏡をかけたおとなしそうなシェフが調理をしていました。厨房からはとてもいい香りがして、食欲をそそりました。その時、奥から女性の声が聞こえてきました。まだ店員さんがいたのかと思うと、アルバイトやシェフに注意をしながら、てきぱきと働きだしました。どうやら、シェフの奥さんのようでした。奥さんに怒られているアルバイトの男の子を横目で見つつ、出来上がった料理を食べてみると、とてもおいしく、またボリュームもあったので本当に満足できました。ただただ、女性に注意されながら働いているシェフとアルバイトの男の子のことだけは、気になりましたが、イタリアンというおしゃれなお店に頑固な店員さんがいるのもおもしろいなと思えました。その頑固さも、気持ちのいいくらいの頑固さで、お客さんを大切にしている気持ちを感じることができたので、今でもそのお店が気にいっています。